物流業界における深刻なドライバー不足の解消策として、現在、外国人材の採用が大きな注目を集めています。その中心となるのが、2024年に自動車運送業が対象分野として追加された在留資格「特定技能」制度です。
特定技能での採用を検討する際、まず理解しておくべきなのが「どうすればその在留資格を取得できるのか」という点です。今回は、特定技能1号を取得するためのルートから、第一関門となる評価試験の内容、また外国人ドライバーとして働くための条件を解説します。
特定技能制度は、一定以上の専門性がある人材を受け入れることを目的としています。単なる労働力の確保ではなく、一定のスキルがあることを公的に証明しなければなりません。その証明をするための試験が「特定技能評価試験」です
・技能の証明:各業界の専門知識が、一定水準を満たしているかどうかを客観的に測ります。
・ビザ取得の要件:この試験と日本語試験の両方に合格することで、初めて出入国在留管理局に対し、特定技能として活動する資格があることを認められます。
※日本語試験についてはこちらで詳しく解説しています。
いわば、日本で特定技能として働くための「共通のライセンス」と言えるでしょう。

自動車運送業の試験は「トラック」「バス」「タクシー」の分野別に行われます。今回は「トラック分野」の試験内容を解説します。
試験はCBT方式(PCでの選択式)で実施され、「学科」と「実技」の2部構成です。
| 区分 | 問題数・形式 | 主な出題範囲 |
| 学科試験 | 30問(〇✕式) | 日本の交通ルール、運転マナー、安全運転に関する知識が問われます。 |
| 実技試験 | 20問(三肢択一式) | 運転技術、荷物の積み下ろし、日常点検などの実践的なスキルや知識などが問われます。 |
実技試験といっても実際に運転するわけではなく、写真や図を用いて実務判断する形式です。
学科・実技ともに正答率60%以上が合格基準となります。(2025年10月時点の合格者は2,832人です)

自動車運送業の特定技能評価試験は、CBT方式で実施されます。ここでは、CBT方式の具体的な仕組みと、受験可能な国について解説します。
CBT方式とは、紙の試験問題や解答用紙を使わず、テストセンターに設置されたコンピューター(PC)を使用して解答する試験形式です。
・試験の進め方: 画面に表示される問題に対して、マウスやキーボードを使って選択肢をクリックして回答します。
・メリット: 大規模な会場での一斉試験とは異なり、テストセンターの空き状況に応じて受験日を柔軟に選べるほか、合否の結果が判明するまでの期間が非常に短いのが特徴です。
・公平性: 受験者ごとにランダムに問題が組み合わされて出題されるため、カンニング防止などのセキュリティも高く保たれています。
現在、自動車運送業(トラック・バス・タクシー)の特定技能評価試験は、日本国内に加えて、主に以下の国々で実施されています。
インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、キルギス、スリランカ、タイ、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオス(ベトナムは対象外)
※実施可能国は、現地の情勢や受験ニーズに応じて追加・変更される場合があります。

試験合格はあくまで「スタートライン」です。特定技能ドライバーとして活躍するためには、以下の3つをすべて揃える必要があります。
①特定技能評価試験の合格(専門スキルの証明)
②日本語能力試験(N4レベル以上)の合格(語学力の証明)
③日本の運転免許の取得
特に注意が必要なのが「日本の運転免許の取得」です。特定技能「自動車運送業(トラック)」では、特例として6ヶ月間の免許取得期間が認められていますが、この期間内に免許を取得できなければ、強制的に帰国となってしまいます。
※6ヶ月の免許取得期間についてはこちらで詳しく解説しています。
採用計画を立てる上では、この厳しさを十分に把握し、確実な免許取得を目指す体制を整えておくことが不可欠です。

特定技能評価試験は、日本でドライバーとして働くための最初の関門です。ただ、合格後の「免許取得」というさらなる難所を考慮すると、入口となるこの試験対策の段階から、実務に即した質の高い教育を行うことが重要です。
弊社では、特定技能評価試験の合格サポートはもちろん、入国後の免許取得を見据えた独自の教育カリキュラムを提供しています。
「免許取得期間を詳しく知りたい」や「長期的に活躍してくれるドライバーを確保したい」などとお考えの採用担当者様は、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。貴社の現場に即した、最適なロードマップを共にお作りいたします。