外国人材の活用において、在留資格「特定技能」はもはや特別なものではなく、現場を維持するための当たり前の選択肢となりました。さらに、2027年4月からは、現行の技能実習に代わる新制度「育成就労」のスタートが控えています。
※育成就労制度については以下のコラムで詳しく解説しています。
これらの制度において、採用の成否を分ける最大の鍵が「日本語能力」です。
現在、公的な証明として認められているテストは「JLPT」と「JFT-Basic」の2種類。今回は、多くの担当者が混同しがちな2つの日本語能力試験の違いと、2026年8月に予定されているJFT-Basicのスコアリング改訂について詳しく解説します。
特定技能や育成就労の要件を満たす試験として認められているのは、以下の2種類です。
・JLPT(日本語能力試験)
母語が日本語ではない人を対象に、日本語能力(文字・語彙・文法・読解・聴解)を測定・認定する世界最大規模の試験。N1(難)~N5(易)の5段階で評価され、就職・昇進・進学の基準として日本国内外で幅広く活用されています。
・JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)
主として就労のために来日する外国人が遭遇する生活場面でのコミュニケーションに必要な日本語能力を測定し、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定することを目的としています。
| 比較項目 | JLPT | JFT-Basic |
| 目的 | 日本語の総合的な能力を測る | 日常生活に必要な実践的な日本語能力を測る |
| 試験の方式 | マークシート(紙) | CBT方式(コンピューター) |
| 試験内容 | 言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解 | 文字・語彙、会話・表現、読解、聴解 |
| 試験の頻度 | 年2回(7月・12月) | 年間約6回程度(ほぼ隔月) |
| 結果発表 | 試験後1〜2か月後に合否通知 | 試験終了後すぐに結果がわかる |
JLPTが語彙や文法といった「体系的な言語知識」に重きを置いているのに対し、JFTは日常生活や実務における「実践的なコミュニケーション能力」を重視しています。
・特定技能1号
N4レベルの日本語力が必須(N4レベル=JLPT N4またはJFT-Basic A2)入社時点で、ある程度の指示を理解し会話ができる能力が求められます。
※日本語能力N4レベルについてはこちらで詳しく解説しています。
・育成就労
A1レベル相当(初歩的な挨拶や限定的なやり取り)が必要。特定技能移行時にN4レベルへのステップアップが義務付けられます。
ここで大きな課題となっていたのが、「JFTではA1レベルを証明できない」という点です。
これまでJFT-Basicは、「A2に達しているか否か」の合格・不合格のみを判定していました。しかし、2026年8月よりスコアリング方法が改訂されます。
今回の改訂により、判定結果に「A1」の評価も表示されるようになります。
| A1 | A2.1 | A2.2 (A2) | |
| 2026年7月まで | ― | ― | 〇 |
| 2026年8月以降 | 〇 | 〇 | 〇 |
この変更の最大のメリットは、JFT-Basicの結果を「育成就労」の入国要件(A1レベル以上)の証明書類として使えるようになることです。
今までのJFT-BasicはA2(合格)に届かなければ何の証明にもなりませんでしたが、今後は、特定技能の受け入れ要件に加えて、育成就労の受け入れ要件にも活用できるようになります。
弊社では「JLPT N4」「JFT-Basic A2」レベルの日本語教育に加え、企業様ごとに異なる「実務で多用する単語・専門用語」を事前に教育する独自のカリキュラムを導入しています。社内用語や専門用語、地名などを配属前にインプットすることで、入社初日からスムーズな連携を可能にします。また、視覚情報も織り交ぜた、母国語での外国人向けマニュアルの作成も承っております。

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2026年8月に予定されているJFT-Basicのスコアリング改訂は、2027年から始まる「育成就労」を見据えた非常に重要なアップデートです。「JLPT」と「JFT-Basic」の違い、そして最新の判定基準を正しく理解することは、今後の採用戦略を練る上で避けては通れない知識といえるでしょう。
本記事の内容が少しでも皆様の参考になれば幸いです。