物流業界において、外国人ドライバー採用が注目される一方で、「本当に現場で活躍できるのか」「定着するのか」といった不安の声も多く聞かれます。
私たちが人材業界に関わる中で強く感じているのは、外国人ドライバー採用の成否は、良い人材を見つけられるかどうかでは決まらないという点です。重要なのは、採用がスタートする瞬間の状態がどれだけ整っているかです。
仮に優秀な人材であっても、企業側の期待と本人の認識にズレがあれば、入社後のミスマッチにつながります。逆に、能力が平均的であっても、双方の認識が揃っていれば長期的に活躍するケースも少なくありません。
ここでポイントになるのが、雇用と就業のスタートラインの設計です。
私たちは ネパール現地で運転教育を行い、日本の運送会社様にドライバー人材をご紹介しています。日本で即戦力ドライバーを探すのではなく、日本の現場で育てることを前提とした採用設計からご支援しています。
「良い人材 × 良い企業」の組み合わせは、極端に言えば人材会社が介在しなくても成立します。人材会社の価値は、本来であれば成立しなかったかもしれない出会いを成立させ、その成功確率を高めることにあります。
そのために必要なのが、スタートラインを整える作業です。

業務内容、労働時間や拘束時間、給与と手取り額、日本での生活、日本語レベル、戦力化までの期間、受け入れ体制など、認識のズレがあるほど、入社後の不満や現場トラブルにつながりやすくなります。
特に多いのが、「外国人ドライバー=すぐに一人で走れる即戦力」という期待とのギャップです。
実際には、日本独自の配送ルールや荷主対応、構内ルールなど、日本の現場特有の業務を前提とした教育が必要になります。
外国人ドライバー採用は、最初から教育前提で設計しなければ成立しません。
外国人ドライバーで、日本の運送現場ですぐに単独乗務できる人材は、ほとんど存在しません。
能力の問題ではなく、日本の現場で必要な業務知識と運用理解を前提とした育成が不可欠だからです。
即戦力前提ではなく、育成前提で設計することが重要です。
日本人ドライバーであっても、採用後の教育・定着コストまで含めて考えると、必ずしも効率的とは言えないケースも多く見られます。外国人ドライバー採用は、最初から育成を前提に設計できる点が大きな違いです。
外国人が日本で働く理由の多くは、いわゆる出稼ぎです。
重要なのは、なぜ来日したかではなく、定着してくれる人材を探すことです。
そのポイントの一つが、国選びだと考えています。
たとえば、ベトナムやインドネシアでは、数年日本で働き、帰国後の生活やキャリア向上を目指す志向が比較的強い傾向があります。
一方、ネパールは、国内の雇用機会が限られており、帰国後の就職先も多くはありません。
そのため、日本で長く働くことを前提に来日を希望する人材が比較的多い国です。
「外国人はすぐ帰る」という印象だけで判断せず、国ごとの背景を理解したうえで採用することが、定着率に直結します。
※外国人ドライバー採用視点での、ネパール・ベトナム・インドネシア・ミャンマーの国比較はこちら
実際には、一度業務を分解して整理することで、外国人を活用できる領域が見えてくるケースがほとんどです。
当社がご支援した運送会社様では 当初はドライバー5名の採用予定でしたが、実際に現地でネパール人を面接いただいた結果、 最終的に10名の採用に拡大しました。
これは人材が特別優秀だったからではなく、業務とその役割から、外国人でも活躍できるポジションを見直していただけたことで実現した事例です。
重要なのは、これは企業や候補者の能力の問題ではなく、設計の問題であるという点です。
スタートラインが整っていないまま採用を進めると、入社後につまずきやすくなります。
外国人採用は、現場を大きく変えたり、外国人側の要望に過度に合わせたりすることではありません。
運用としてきちんと回る形に設計し直すことが重要であり、これは工夫によって十分対応可能です。

私たちは、単なる人材紹介ではなく、
・企業側の期待値整理
・求職者側の理解促進
・条件や環境の認識調整
を行い、さらに候補者をご紹介する前の段階から、本当にこの業務設計で外国人ドライバーが回るのかを企業様と一緒に整理しています。
外国人ドライバー採用は、偶然のマッチングで成功するものではありません。
スタートラインの設計次第で、定着率や戦力化スピードは大きく変わります。
特に、
・即戦力前提になっていないか
・国選びを誤っていないか
・業務設計を見直しているか
この3点が結果を大きく左右します。
ネパール現地で育成した人材を前提に、運送現場で回る形を一緒に設計させていただける企業様がおりましたらぜひ一度、弊社までご相談ください。