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特定技能1号と2号の違いとは?外国人ドライバーの「無期限雇用」や「家族帯同」の可能性

2026/06/19 コラム

国内の労働人口が減少の一途をたどる中、物流業界において「いかにして安定的にドライバーを確保するか」は、企業の存続に関わる重要な課題となっています。こうした背景から、新たな採用の選択肢として大きな期待を集めているのが、2024年より自動車運送業(トラック・バス・タクシー)が対象分野に加わった在留資格「特定技能」制度です。

特定技能の中でも特に自動車運送業においては、他職種とは異なる制約や注意点が多く存在するため、採用担当者としては「制度の全容が掴みきれていない」「将来的にどのようなキャリアパスを描けるのか知りたい」といった不安も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、特定技能制度の基礎知識から採用担当者が押さえておくべきポイント、そして将来的なキャリアパスの可能性までを解説します。

そもそも「特定技能」とは?

「特定技能」とは、国内で人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性や技能を有する外国人を受け入れるため、2019年4月に創設された在留資格です。

特定技能には「1号」と「2号」の2つの区分があります。特定技能1号は、特定産業分野において相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けで、現在16の分野が対象です。(※自動車運送業は現状1号のみ)

これに加えて自動車運送業分野(ドライバー)で特定技能外国人が就労する場合は、独自要件として以下が定められています。

【自動車運送業の独自要件】
自動車運送業分野で就労する場合、入国後6ヶ月以内に日本の運転免許を取得することが義務付けられています。取得できなかった場合は帰国となってしまうので注意が必要です。

※「外国免許切替」と「教習所で取得」2つの免許取得方法はこちらで詳しく解説しています↓

外免切替と教習所での免許取得を比較!外国人ドライバー採用で選ぶべきはどっち?

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特定技能1号と2号の違い

1号と2号では、「在留期間」や「家族帯同」をはじめ、さまざまな点で違いがあります。主な違いを以下の表にまとめました。

比較項目 特定技能1号 特定技能2号
制度上の目的 現場で働く労働力を、一定期間受け入れる。人手不足の産業で基礎~中級レベルの技能を持つ人材を期限付きで受け入れる想定。 熟練技能者として、産業を中長期的に支える。人手不足対策にとどまらず、産業の担い手・中核人材としての定着を想定。
想定される人物像 現場作業を担うプレイヤー 現場を統括できるリーダー・職長クラス
在留期間 通算5年が上限。制度変更がない限り、5年後には帰国が必要。
※通算=他職種と合算(例:外食業2年+宿泊業2年=残り1年)
更新回数の上限なし。許可を得れば実質的に定年までの「無期限雇用」が可能。
家族帯同 原則不可。単身での来日となる。 配偶者・子の帯同が可能。生活基盤が日本に固定され、定着が期待できる。
企業の支援義務 職業・日常・社会生活上の支援計画の作成・実施が義務。 日本での生活に習熟しているとみなされ、支援義務はなし。

ただ、特定技能2号は、簡単になれるものではない

ここまで見てきたように、2号は在留期間に上限がなく、家族の帯同も認められる、企業・人材双方にとって魅力的な区分です。しかし、1号を終えた人が誰でも進めるわけではありません。

大前提:そもそも、2号がない分野もある

まず押さえておきたいのは、すべての分野に2号があるわけではない、という点です。特定技能1号は16分野で受け入れが認められていますが、2号の対象はそのうち11分野にとどまります。2号が設けられていない分野では、そもそも移行という選択肢自体が存在しません。自分の分野に2号があるかどうかは、最初に確認しておくべき前提です。

2号がある分野でも、移行のハードルは高い

では2号が設けられている分野なら誰でも進めるかというと、そうではありません。2号へ移行するには、主に次の二つの条件を満たす必要があります。

一定の実務経験(現場で人を指導・監督した経験)
技能試験への合格(日本語で実施される高水準の試験)

順に見ていきます。

① 求められるのは「指導・監督」の実務経験
一つ目の条件が実務経験です。ここで誤解されやすいのが、この「実務経験」という言葉の中身です。これは、単にその仕事に何年従事したか、という就労年数のことではありません。多くの分野で求められるのは、現場で作業員を指導・監督する立場(班長・職長クラス)としての経験です。

たとえばドライバーであれば、5年間自分の便を安全に走り続けること自体は立派な就労経験ですが、それだけでは要件を満たさない可能性があります。後輩の指導役を担った、配車・運行管理を補佐した、チームをまとめたといった、「人を率いる側」としての経験が問われるのです。2号が「現場を統括できるリーダー」を想定した区分である以上、プレイヤーとしての年数ではなく、リーダーとしての経験が証明できなければなりません。

② 試験で求められる日本語レベルが、格段に上がる
1号の取得時に必要な日本語力は、JLPT N4(基本的な日本語が理解できるレベル)が目安でした。一方、2号の評価試験は、JLPT N2相当の日本語能力を前提に作られているとされます。N2は「日常的な場面の日本語に加え、幅広い場面の日本語をある程度理解できる」レベルで、N4とは大きな開きがあります。専門知識を日本語で理解し、現場を統括できる力が問われるため、技術力だけでなく高い日本語運用力がなければ合格は難しいのが実情です。

このように、2号は企業が時間をかけて人材を育て、本人もそれに応えて初めて到達できる地点です。だからこそ、2号を見据えるのであれば、早い段階から育成を前提とした受け入れ体制を整えておくことが欠かせません。

自動車運送業(ドライバー)が、「特定技能2号」に追加される可能性

ここで気になるのが、「自動車運送業はどうなのか」という点です。前述のとおり、自動車運送業は現状「特定技能1号」のみで、2号の対象には含まれていません。つまり外国人ドライバーは、今のところ通算5年が在留の上限となります。

ただし、今後2号に追加される可能性は十分にあります。 政府は2023年に、それまで2職種しかなかった特定技能2号の対象を11分野へと大幅に拡大しました。自動車運送業についても、まずは1号で安全な運行実績を積んだうえで、他分野と同様に2号へ移行できる仕組みが構築されることが見込まれています。これが実現すれば、外国人ドライバーにも「無期限雇用」や「家族帯同」への道が開かれます。

とはいえ、先に述べたとおり、2号への移行には実務経験や試験合格といったハードルがあり、1号を終えた全員が進めるわけではありません。将来ドライバーの2号が解禁されたときに備える意味でも、本人の意欲や学習を継続的に支え、技能を高めていける受け入れ体制を、今のうちから整えておくことが重要になります。

まとめ

自動車運送業は現状「1号」のみですが、将来の「2号」解禁を見据えれば、外国人採用は一時的な労働力の確保ではなく、将来の自社を支える「リーダー候補」の育成へと繋がります。

ただし、2号への移行は自動ではなく、試験合格や実務経験といったハードルがあるため、本人の意欲を維持し、技能を高めていける継続的なサポートが欠かせません。長期的な戦力として定着させるためには、将来を見据えた「受け入れ体制」の整備が鍵となります。

「2号を見据えた人材戦略を考えたい」や「長期的に活躍してくれるドライバーを確保したい」とお考えの採用担当者様は、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。

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