物流業界における「2024年問題」が現実のものとなり、深刻なドライバー不足は今や経営上の優先課題となっています。この危機を打開する切り札として、2024年4月より在留資格「特定技能」の対象分野に「自動車運送業」が追加されました。これにより、外国人ドライバーの道が開かれ、多くの企業が新たな人材確保の手段として注目しています。
しかし、特定技能制度を活用して外国人ドライバーを採用する際、避けて通れない大きな「壁」が存在します。それは、「日本の運転免許を取得する」という点です。どれほど海外での運転経験が豊富であっても、日本の免許証がない限り、プロのドライバーとしてハンドルを握ることは許されません。
外国人候補者がこの条件をクリアし、日本の免許を取得する方法は「自動車教習所に通う」か「外免切替を行う」という2つのルートが存在します。特に、コストと時間のバランスから多くの企業がまず検討するのが「外免切替」だと思いますが、その仕組みや難易度を正しく理解していないと、不合格による採用計画の遅延を招く恐れもあります。
今回は、外国人ドライバー採用を成功に導くための最重要ステップである「外免切替」について詳しく解説します。
外免切替(外国免許切替)とは、海外での運転経験や免許の効力を日本でも認め、日本の免許証を新たに交付してもらう仕組みです。
例えば、海外で大型免許相当の運転免許を所持していれば、日本でも大型免許まで切り替えることが可能です。ただし、はじめから大型免許に切り替えることはできません。まずは普通免許または準中型免許に切り替え、2回目の外免切替で中型免許または大型免許に切り替えることができます。

外免切替の手続きは、各都道府県の「運転免許センター」で行います。一般的な流れは以下の通りです。
①書類審査:免許証、パスポート、住民票、翻訳文などを提出し、欠格事由がないか確認されます。
②適性検査:視力・色彩識別・聴力などの検査です。
③知識確認(学科試験):日本の交通ルールに関するテストです。
④技能確認(実技試験):試験場内のコースを実際に走行します。
⑤免許交付:すべてをクリアすれば、日本の免許証が交付されます。
「切り替えるだけ」という言葉の響きから、簡単に取得できると誤解されがちですが、実態は異なります。特に以下の点に注意が必要です。
2025年10月より外免切替制度の厳格化が実施され、試験の難易度は一段と高まりました。特に学科試験においては、問題数が従来の10問から50問へと大幅に増加し、合格基準も正答率70%から90%へと引き上げられています。(外免切替の厳格化については今後のコラムで詳しく解説します)
①知識確認(学科試験):日本の交通ルールに関する知識を問う試験です。
・形式:50問構成の文章問題形式
・内容:道路標識・標示、悪天候時の対応、危険予測、信号の意味、交通違反時の罰則など
・合格基準:90%以上の正解率
②技能確認(実技試験):免許センター内のコースを実際に走行する試験です。
・形式:専用コースを走行
・内容:右左折、S字・クランク、一時停止、踏切など
・合格基準:単に車を動かせるかではなく、日本の試験基準である「目視確認」や「左折時の巻き込み防止(左寄せ)」などが徹底できているかなどが厳しく採点されます。事前の練習なしに一発で合格できるケースは稀です。
特定技能ドライバーの場合、入国後6ヶ月以内(特定活動ビザの期間)にこの試験に合格しなければなりません。不合格が続けば、そのまま強制帰国というリスクを伴います。
※特定技能ドライバー特有の「特定活動ビザ」についてはこちらで詳しく解説しています。
免許センターによっては試験の予約が数ヶ月先まで埋まっていることもあり、計画的なスケジュール管理が不可欠です。
リスクがある一方で、適切なサポート体制のもとで行う外免切替には、教習所ルートにはない大きなメリットがあります。
日本の教習所に通う場合、通常は2〜3ヶ月程度の期間を要します。一方、外免切替であれば、事前の対策を徹底することで入国から数週間〜1ヶ月程度での免許取得も可能です。特定活動期間(6ヶ月)を有効に使い、一日でも早く乗務へと進めることができます。
日本の教習所に通う場合、一人あたり30万円〜40万円程度の高額な費用が発生します。外免切替であれば、受験料(約2,500円)や数回の技能練習代だけで済むため、採用一人あたりのコストを大幅に削減することが可能です。複数人を同時に採用する企業にとっては、このコスト差は経営上の大きな利点となります。
外免切替試験は、実質的には日本の運転免許試験と同等の厳しい基準で行われるため、非常に難易度が高いのが実情です。
単にルールを覚えるだけでなく、日本独自の厳格な「安全確認の作法」や「一時停止のタイミング」「左折時の巻き込み防止」など、細部にわたる技能が求められます。対策なしでの合格は極めて難しく、数回にわたり不合格となることも珍しくありません。
こうした高いハードルがあるため、外免切替を勧める紹介会社の多くは、事前教育を手厚く行っています。
弊社は、海外現地で外免切替試験を見据えた約8ヶ月間の教育カリキュラムを構築し、日本人の教習指導員が現地候補者に対して、直接指導を行っています。また、海外現地教育だけでなく、入国後も候補者と伴走し、交通心理士の資格を持った教習指導員が外免切替試験対策を実施しています。
このように徹底した事前教育を行うことで、外免切替の合格を後押しするだけでなく、プロのドライバーとして長く安全に活躍するための重要な土台を構築しています。
「教育内容を詳しく聞きたい」や「外免切替に合格するためのポイントを聞きたい」などございましたら、以下よりお気軽にお問い合わせください。
深刻なドライバー不足が続く中、特定技能制度による外国人材の活用は非常に有効な手段です。ただ、実際に乗務をするためには、「日本の免許取得」という壁を確実にクリアしなければなりません。
低コスト・短期間で取得可能な「外免切替」は、多くの企業にとって有力な選択肢です。ただし、2025年10月の試験厳格化や、入国後6ヶ月という期限を考慮すると、「事前の手厚い教育」が成否を分けるポイントとなります。
外国人ドライバーをご検討の企業様はぜひ弊社へご相談ください。