外国人ドライバーの採用を検討する際、多くの運送会社様がまず直面するのが「どこに頼めばいいのか」という問題です。
採用支援会社・登録支援機関は全国に数多く存在しますが、ドライバー人材という領域に限って言えば、関わっている会社はおおよそ3つのタイプに分類されます。
どのタイプも、それぞれの分野で実績を積んできた会社です。ただ、ドライバー採用という領域には、複数の専門知識が同時に求められるという特性があります。依頼する前にその特性を理解しておくことが、採用後のトラブルを防ぐことに直結します。
※登録支援機関の基本的な役割や選び方の概要については、以下のコラムも参考にしてください。
外国人ドライバー雇用|どんな登録支援機関を選べばいい?
このタイプは、日本の人材業界を長く経験しており、企業との折衝や採用プロセスの設計には慣れています。ネームバリューのある大手も多く、「安心感」から選ばれることも少なくありません。
ただし、外国人・外国のことについては、日本人採用の経験だけでは補えない部分が多くあります。国ごとの気質や文化的背景、宗教、生活習慣、来日前後の外国人特有の課題は、専門的に取り組んでいなければ蓄積されにくい知識です。たとえば宗教的な背景ひとつとっても、運送現場では無視できない影響が出ることがあります。
※宗教と運転業務の関係については以下のコラムで詳しく解説しています。
宗教は運転業務にどう影響する?運送業界が直面する文化の壁
また、ドライバー採用においては、免許制度や運転教育への理解も欠かせません。「免許が取れなかった」「取得に予想以上の時間がかかった」といった事態が起きた場合、その対応コストは受け入れ企業に集中しやすくなります。
依頼前に、外国人対応と免許・教育面の体制を具体的に確認しておくことをおすすめします。
「人を紹介できること」と「ドライバーとして育てられること」は、まったく別のことです。

製造業・農業・介護・建築など、他分野で外国人支援を積み重ねてきた会社です。在留資格の手続きや外国人の生活支援には一定の経験があります。
ただ、ドライバーという職種の特殊性には、対応できていないことが多い。
「教育もしています」と謳っているところも、実態を確認すると外部委託か、あるいはほとんど機能していないケースがあります。依頼を検討する際は、教育の具体的な内容・実施主体・委託の有無を事前に確認することをおすすめします。
また、「○○時間の教育を実施しています」という説明も、時間数だけでは内容の質はわかりません。可能であればカリキュラムの中身を見せてもらうことが重要です。
「日本の教習に準拠した内容で指導しています」という説明についても、一点注意が必要です。外国人が免許を取得するためには、日本の教習内容をなぞるだけでは不十分なケースがあります。
国によって運転の癖や習慣は異なり、外国人が特につまずきやすいポイントを重点的に指導できるかどうかが、免許取得率や安全運転の質に影響します。
教育内容を確認する際は、外国人特有の指導項目が組み込まれているかも併せて確認してみてください。
「柔軟に教育・対応します」という言葉も、具体的に何をすべきかが整理されていないために、その場対応を重ねているだけということが少なくありません。
「外国人の支援経験がある」ことと「外国人ドライバーを育てられる」ことは、必ずしもイコールではありません。依頼前に具体的な実績と体制を確認することが大切です。

日本の免許取得プロセスへの理解という点では、このタイプに一定の強みがあります。
ただし、外免切替(外国免許から日本免許への切り替え)は通常の教習とは異なり、一発試験での合格を目指す形になります。教習所は自校の教習規格に沿った指導には長けていますが、一発試験で問われるポイントを的確に押さえた指導ができるかどうかは別の話です。
外免切替の対応実績や、どのような指導をしているかは、依頼前に具体的に確認しておくことをおすすめします。
なお、2025年10月より外免切替試験は制度が厳格化されており、以前より対策の質が合否に直結しやすくなっています。
※外免切替の制度変更の詳細はこちら
【2025年10月1日施行】外免切替試験が厳格化|外国人ドライバー採用を検討する運送業者が知っておくべきポイント外免切替と教習所での免許取得を比較!外国人ドライバー採用で選ぶべきはどっち?
日本人と同様に教習を受けて免許センターで学科試験を受けるルートであれば取得させやすいですが、それはあくまで「免許を取らせること」ができるという話です。
免許取得と安全運転・エコ運転の間には一定の乖離があります。運送業において燃費管理や安全意識は現場の収益にも直結しますが、免許取得後の教育まで対応できているかどうかは、登録支援機関によって大きく異なります。免許取得が最優先になるため、安全運転講習やエコ運転講習まで手が回らず、紹介して終わりになっているところが多いのが現状です。
外国人の国籍ごとの特徴・気質、コミュニケーション、宗教的背景、現場でのつまずきやすいポイントなどへの理解も、受け入れ後の定着率や企業側の負担に影響します。免許を取らせることの先にある部分まで、体制として持っているかを確認することが重要です。
「免許を取らせること」と「外国人ドライバーとして現場で活躍させること」は、別の問題です。

整理すると、以下の通りです。
| 外国人対応 | 免許・ドライバー教育 | 安全運転・定着支援 | |
| タイプ① 人材紹介・派遣系 | △ | ✕ | ✕ |
| タイプ② 外国人支援系 | ○ | ✕ | ✕ |
| タイプ③ 教習所系 | ✕ | △ | ✕ |
ドライバー採用において本当に必要なのは、この3つがすべて揃っていることです。
どれかひとつが手薄でも、現場でのトラブルやコスト増につながりやすくなります。
3つの軸をすべて満たす会社は、業界全体を見渡しても多くありません。私たちニホントがどのように取り組んでいるかを、参考までにご紹介します。
教習所での指導歴8年・安全運転講習歴9年の普通/大型免許指導員(交通心理士の資格保有)が在籍しており、教習カリキュラムの設計からネパール現地での運転練習コース整備、実際の指導まで一貫して担当しています。外免切替試験の傾向にも精通しており、来日後の免許取得を見据えた事前教育を現地で実施しています。
入社後も3ヶ月に一度、雇用期間中を通じて外国人ドライバーへの出張添乗指導を継続しています。免許取得で終わりではなく、安全運転講習・エコ運転講習まで含めた教育体制を整えています。
教育カリキュラムの詳細については、お問い合わせいただければご提供できます。
役員全員および従業員の過半数が東南アジアでの就労・外国人マネジメントの経験があります。紹介する国籍については、8カ国の現場を実際に視察・比較した上でネパールに絞っており、送り出し機関・支援会社・受け入れ企業へのコンサルティングを通じて、採用から定着までの全フェーズに関わってきた経験があります。
従業員の過半数が日本の人材紹介・派遣会社出身です。日本の採用市場や企業の現場感覚を理解した上で、外国人ドライバー採用の設計に関わっています。

登録支援機関・採用支援会社を選ぶ際は、「外国人対応」「免許・ドライバー教育」「安全運転・定着支援」の3つの軸すべてに具体的な答えを持っているかを確認してみてください。
外国人ドライバーの採用・受け入れについてご不安な点がございましたら、ぜひ一度ニホントまでご相談ください。