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【2026年1月】特定技能バスドライバーの採用要件が変更|日本語要件N3→N4緩和

2026/04/15 コラム

これまで外国人バスドライバーの採用が広がらなかった最大の理由は、「人がいない」のではなく、「採用できる人材の母数が極端に限られていた」ことにありました。特に日本語要件N3というハードルが、候補者の裾野を大きく狭めていたのが実情です。

2026年1月23日の閣議決定により、この要件はN4へと緩和されました。これにより、これまで採用対象になり得なかった層にも門戸が開かれ、人材確保の可能性は大きく広がります。

一方で、採用後の教育や安全指導、日本語力の底上げなど、企業側に求められる役割はこれまで以上に重要になります。つまり「採れるようになる」一方で、「どう育て、どう定着させるか」が問われるフェーズに入ったとも言えます。

本記事では、この制度変更を単なる要件緩和として捉えるのではなく、現場でどのように受け入れ、戦力化していくべきか。その具体的な考え方とポイントを解説します。

まず押さえておきたい|外国人バスドライバー受入の基本要件

外国人がバスドライバーとして就業するためには、在留資格「特定技能1号(自動車運送業分野)」が必要です。この制度では、旅客輸送という業務の特性から、技能・日本語・免許・研修のすべてが揃って初めて乗務できる設計になっています。

それぞれの要件について、実務上のポイントを整理します。

外国人側に求められる要件

◼︎技能要件
自動車運送業分野特定技能1号評価試験(バス)への合格、または技能実習2号の良好な修了が必要です。

◼︎日本語能力要件
今回の改定でN4水準での受入が可能になりましたが、それでも「N4って実際どのくらいのレベル?」と感じる方は多いと思います。N4は日本語能力試験の中では初級寄りで、日常的な場面での基本的なやり取りができる水準です。採用後の継続的な教育を前提に受け入れる、というのが今回の改定の考え方です。

◼︎運転免許要件
大型二種免許の取得が必須です。海外で取得した免許がある場合でも、外免切替の手続きを経たうえで日本の免許を取得する必要があります。この免許取得のプロセスが、実は導入準備のなかで最も時間を要する部分です。

企業側に求められる要件

◼︎新任運転者研修の実施
旅客自動車運送事業運輸規則第38条に基づく研修の修了が必要です。業界団体が定めた効果測定基準への到達が求められます。

◼︎特定技能協議会への加入(忘れがちな必須要件)
国土交通省が設置する協議会への加入が、在留申請の前に必須となっています。「採用の準備を進めているうちに見落としていた」というご相談を実際によくいただきます。採用活動を始める前に、まず協議会加入の手続きを進めておくことをお勧めします。

今回の改定で何が変わったのか|前後比較で整理

「制度が変わった」とは聞いても、具体的に何がどう変わったのかがわかりにくいという声が多くあります。ポイントを表で整理しました。

受入パターン別|必要な要件の組み合わせ

改定後は、受入する地域によって必要な要件が変わります。特に半島・離島等の特例地域については、日本人の同乗なしで単独乗務から開始できる点が実務上の大きな変化です。ただし、協力確認書の取得やICT環境の整備が必要になりますので、行政との事前調整が欠かせません。

今回の改定のポイント

誤解が多いのですが、今回の改定は「要件の撤廃」ではありません。N4水準での受入を認める代わりに、事業者が教育計画を持ち、継続的に実施することが条件です。「N4でいい」だけが独り歩きして、教育体制が整っていないまま受け入れてしまうと、後から問題が生じるケースも出てくると思います。制度の緩和をうまく活用するには、採用と教育をセットで設計することが重要です。

なぜこのタイミングで見直しが行われたのか

バス業界の人材不足が深刻化するなかで、「外国人材の受入に関心はあるが具体的に動き出せていない」という事業者が依然として多いことが背景にあります。

採用を躊躇う理由として最も多く聞かれるのが、「採用前のN3取得ハードル」と「免許取得までの時間と手間」でした。特にN3要件については、単にハードルが高いというだけでなく、そもそもバスドライバーとして就業を希望する外国人の中に、N3レベルに到達している人材がほとんどいないという構造的な課題がありました。その結果、制度上は受入可能であっても、実際には採用対象となる母数を確保できない状況が続いていました。

今回の改定は、このような実態を踏まえ、日本語要件の部分に対応したものです。

免許取得については特定活動55号の活用が引き続き重要になります。

【特定活動55号 確認ポイント】

 ・バス・タクシー分野(在留上限1年):特定技能1号の通算在留期間には算入されないが外免切替対策、日本語教育、新任研修をこの1年以内に計画的に進める必要がある

 私どもでは来日前からの外免切替対策講習(学科・実技対応)を提供しており、17年間の運転教育の知見をもとに、入国前後の免許取得をサポートしています。大型二種免許の受験については教習所との連携もご案内します。 外免切替から定着支援まで一気通貫でサポートできる支援機関は、業界でもそれほど多くありません。雇用後の支援体制について詳しくはこちらをご覧ください。

今から動き出すために|採用から単独乗務までの実務フロー

全体の流れを把握しておくことで、「今どの段階にいるのか」「次に何を準備すべきか」が見えてきます。特定活動55号の期間(STEP3)が実質的な準備期間になることを意識して、逆算してスケジュールを組むことをお勧めします。

入国から単独乗務開始まで、概ね1〜1.5年を要します。特定活動期間(最大1年)を最大限に活かすには、入国前からの準備がカギです。「どこから手をつければよいかわからない」という段階からでも、まずはご相談ください。

まとめ

2026年1月の閣議決定で、外国人バスドライバー採用の大きな障壁だった日本語要件がN3からN4へ引き下げられました。「採用前にN3を取らせる」必要がなくなったことで、受入を現実の選択肢として検討しやすくなっています。

ただし、N4水準での受入には教育計画の策定と同乗体制の構築が条件です。特例地域での単独乗務には協力確認書とICT導入も必要になります。制度の緩和をうまく活かすには、採用・教育・運用を一体で設計することが求められます。私どもは外免切替対策講習から入国後の添乗指導・カウンセリングまで、採用から定着まで一貫してサポートする体制を整えています。「まず話を聞いてみたい」という段階でも構いませんので、お気軽にご連絡ください。

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